「なんか左足首ばかり捻挫する」
「左膝と左の肩が痛い」
こういう話、スポーツをやっていると周りに一人や二人いませんか?
私自身もバスケを38年やっていて、こういうパターンを持つ選手を何人も見てきました。
工場長私自身も左側の方が怪我が多かったです。
で、これって「たまたま」じゃなく、脳と神経の仕組みが関係しているかもしれないのです。
自分の怪我を治したくて神経科学を学んいく中で、「PMRF」という概念に出会ってそれを知ったので本日はそれをシェアします。



ちょーっとややこしいかもですけど私自身の整理も兼ねて・・・(というか、そっちの方が大きいですw)
PMRFって何?まず30秒で理解しよう
PMRFというのは、「橋延髄網様体(きょうえんずいもうようたい)」の英語略称です。
「橋(きょう)」=脳幹の上の方
「延髄(えんずい)」=脳幹の下の方
「網様体(もうようたい)」=神経が網(あみ)みたいにつながっている場所
この構造(神経ネットワーク)の呼び名です。
英語でいうと、Pontomedullary Reticular Formation。



ここからは「PMRF」と呼びます。
全身の筋緊張・姿勢・バランスを左右に分けてコントロールしています。
シンプルに言うと、



全身の筋肉のON/OFFを調整している指令センターが左右に1個ずつある
というイメージです。
| 問題のある側 | 増やす感覚入力 | 活性化される脳 | 活性化するPMRF(結果) |
|---|---|---|---|
| 右側 | 左側の動き・感覚 | 右脳 | 右PMRF |
| 左側 | 右側の動き・感覚 | 左脳 | 左PMRF |



書いていてこの時点で何度も迷子になっています。



脳はクロスしているので、右脳を活性化したければ左側の身体を動かす。だから問題のある側ではなく反対側の入力を増やす・・・
自分でチェックできる?PMRFバランスの見方
じゃぁ、自分はどうなの?となる思うのでいったん調べてみましょう。
チェック①:手のひらの向き
力を完全に抜いて、自然に立ってみてください。
そのとき、手のひらはどちらを向いていますか?


手のひらの向きをそっと見てみてください
- 手のひらが後ろ(背中側)を向いている(回内)→ その側のPMRFが優位になっているサイン
左右で向きが違う場合、PMRFにアンバランスが起きている可能性があります。



優位ってどういうこと?となると思いますが、説明しだすと難しすぎるのでここではまぁなんか違うんだな程度で大丈夫です。
チェック②:手の内在筋テスト
机に手のひら全体をぴたっとつけてください。
その状態で、指だけを上にできるだけ高く上げます。


この写真では人差し指しかあげていませんが全部上げてみて左右比べてみるのもありです。
ここで知りたいのは左右差です。
その指が何センチ上がるか、定規で測ってみてください。
左右で比べて、例えば中指が左7cm・右6cmだったとしたら、右の手の内在筋の出力が低い=右のPMRFが十分に機能していない可能性がある、というわけです。



これがまたややこしいのは「あくまでも可能性」であるということ。
身体の動きやバランスはいろんな部位が影響しながらとっているものなので・・・仮説に基づいて調ベて行くことが大切です
意識してないのにしている動作など例えば「シュート打ったあと足がピョコっと上がる」とかそういうのも関係している可能性があります。



テストはいろいろあるので知りたい方はオープンチャットか何かで聞いてください(笑)全く問題ないです!という人はほどんどいないと思います。
良い(右)方をを動かせば悪い(左)方も良くなる?



ここが今日一番お伝えしたいポイントです。なぜなら、私が一番こんがらがった箇所でもあるからですw(自分本位)
「右手を動かすのは左脳」というのは多くの人が知っています。
このPMRFをもとに考えるとすると



右に問題があるなら、左を動かして右脳を活性化すれば右PMRFも改善する?



え?じゃぁ痛くない方ばっかり結局使うってこと?



それって今までと一緒では?で怪我してるし・・・・
となんかモヤモヤした状態になります笑
なんでこうなるのかというと、ここまでだと半分しか正解じゃないからです。
正しい部分:「左を動かす → 右脳が活性化される」これはその通りです。
でも、ここに落とし穴があります。
右PMRFというのは、「右側の身体からの感覚入力」によって動く回路です。右脳が活性化されることと、右PMRFが正常に機能することは、別の回路の話なんです。



ややこしいでしょ・・・
つまり、左ばかり動かして右脳を刺激しても、それだけでは右PMRFは直接回復しません。
右PMRFを働かせるには、意識的に感覚を届けることが必要なんです。
かばうほど悪化する、という怖い仕組み
右足を痛めたとします。
痛いから自然と右足をかばって、左に重心を乗せる。
これ、誰でもやりますよね。
でも、この「かばう」が問題をこじらせていくことになります。
右に問題がある → 右を庇って動かさない → 右への感覚入力がどんどん減る → 右PMRFの回路がますます使われなくなる → 右側の筋肉バランスがさらに悪化 → もっと庇う…



まさしく負のスパイラル
「安静にしていれば治る」ではなく、かばい続けることで脳への信号が減り、回路がどんどん眠っていく。
そうなると、痛みがなくなっても「また怪我しやすい側」として定着してしまう。
左ばかり怪我する人は、こういう仕組みで右PMRFが機能低下し、右足での踏ん張りが弱くなっているケースが少なくないと思っています。
正しいアプローチは「2段階」
では、どうすればいいか。
考え方は実はシンプルで、2段階で進めます。



なんならここまでの前置きは忘れてもOK
第一段階:反対側を意識的に動かす
まず左(問題のない側)を積極的・そして意識的に動かします。
これによって右脳・右PMRFが「準備状態」になります。ウォーミングアップのイメージです。
第二段階:準備できた状態で、問題のある右側に感覚を入れる
活性化された状態で、今度は右足・右手に直接感覚を届けます。
このとき回路への定着が起きやすくなります。
自宅でできる簡単な例:
- 左足で片足立ち・バランス練習をしてから、右足で同じことをやってみる
- 左手でグーパー運動をしてから、右足の足指を意識してグーパーしてみる
「右が弱いから右を鍛える」という発想からワンクッション入れて



「左で準備して右を活性化する」という順番を意識してみてください。
足指の感覚を取り戻すことは、脳への信号を取り戻すこと
右足をかばっていると、右足からの感覚入力が減ります。
足裏や足指の感覚が鈍くなると、脳へのフィードバックが減り、右PMRFの回路がさらに使われなくなる。つまり、足指の感覚を整えることは、直接PMRFへのアプローチになります。
タビソックスは足指を1本独立させることで、足指の固有受容感覚(位置感覚・力覚)が地面へ正確に伝わりやすくなる設計です。特に親指と他の4本を分けることで、足の踏ん張り・接地のフィードバックがリアルタイムで脳に届くようになります。
「足を守るためのソックス」という見方もありますが、「脳への信号を正常化するための道具」という見方もできます。
まとめ:左(右)ばかり怪我する人へ
- PMRFは全身のバランスを左右に分けてコントロールしている神経回路
- 「右脳を活性化すること」と「右PMRFを機能させること」は別の回路の話
- 右に問題があるとき、右を庇い続けると回路が眠っていく
- 左で準備して、右に感覚を入れるという2段階アプローチが有効
- 足指の感覚を整えることは、脳へのフィードバックを正常化することにつながる
パフォーマンスを上げたい・怪我を繰り返したくないという人は、「脳と身体のつながり」という視点を持ってみるのもいいのでは・・・と思います。
身体は繊細に緻密に、そして巧妙にできています。
知れば知るほど無意識に使っている自分自身の体の機能に感服しますよ!
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