久しぶりにバスケ復帰。昔のように動けないと感じたときに見直したいこと

久しぶりにバスケをした。

シュートを打ってみたら、思っていたより短い。
昔なら届いていた距離なのに、リングまで届かない。

走ってみると、頭で思っているほど身体がついてこない。
切り返そうとしても一歩が遅れる。
ジャンプも、思っていた高さまで飛べてない。

工場長

あれ?こんなはずじゃないねんけど

久しぶりにバスケへ復帰すると、頭の中に残っている自分の動きと、実際の身体の動きと違いを感じることがあります。

昔は当たり前にできていたことが、思うようにできない。
すると、「やっぱり筋力が落ちたな」「歳をとったから仕方ないか」と思ってしまいがちです。

もちろん、バスケから離れていた期間が長ければ、筋力や持久力、瞬発力などが落ちているのは普通です。
でも、身体を動かしているのは筋肉だけではありません。

今回は、久しぶりにバスケへ復帰するときに見直してほしいことを、練習量・シューズ・足元、そして身体が受け取っている感覚という視点から考えてみます。

目次

1.「昔できたから」で、いきなり昔と同じように動かない

バスケ経験者ほど、復帰したときに気をつけたいことがあります。
それは、頭の中には昔の動きが残っていること。

シュートフォームも、ドリブルも、レイアップも、ユーロステップも知っています。
だから「これくらいはできるやろ」という感覚で動きたくなる。

ところが、現在の身体の状態は当時とは違います。

しばらく使っていなかった筋力や持久力だけでなく、関節の動きや柔軟性、バスケ特有のスピードへの慣れなど、さまざまなものが変化しています。

特にバスケットボールは、ダッシュ、急停止、方向転換、ジャンプ、着地、接触を繰り返すスポーツです。

「久しぶりやけど、まぁやってみよう」で一気に昔と同じ強度まで上げるのはおすすめできません。

まずは今の自分がどこまで動けるのかを確認する。
昔の自分を基準にするのは怪我の元になります。

2.昔のバッシュをそのまま履く前に、ちょっと待って

グリン王子

久しぶりだし、いつまで続けるかわからないし・・・


何より、もったいないと昔履いていたバッシュを引っ張り出してくる人もいると思います。

でも、何年も保管していたバッシュなら、買い替えをおすすめします。

見た目がきれいでも、シューズは時間とともに劣化しています。

ミッドソールなどにポリウレタン系の素材が使われている場合は、保管している間にも湿気や時間などの影響で加水分解が進むことがあります。もちろん、シューズに使われている素材や構造によって劣化の仕方は違います。

次のような状態が見られる場合は、バスケで使うのは避けた方がいいでしょう。

  • ソールが浮いている
  • 接着部分に変化がある
  • ミッドソールにひび割れがある
  • 素材が異常に硬くなっている
  • ボロボロ崩れる部分がある

バスケットボールでは、ダッシュから急停止したり、横方向へ切り返したり、ジャンプから着地したりします。その途中でソールが剥がれたり、シューズが本来の機能を保てていなかったりすると危険です。
履いてダッシュ1本しただけでソールが取れてしまうだけなら、面白いだけで済みますが、怪我をしてしまったら笑ってはいられません。

そしてもう一つ。昔合っていたバッシュが、今の自分にも合うとは限りません。

久しぶりの復帰をきっかけに、「今の足に合っているか」「サイズは本当に合っているか」「シューズの中で足が動きすぎていないか」も一度見直してみてください。

3.それ「筋力が落ちた」だけ、じゃないかもよ。

ここから少し、身体の仕組みの話をします。

私たちが身体を動かすとき、筋肉が勝手に動いているわけではありません。
身体はさまざまな感覚情報を受け取りながら、姿勢や動きを調整しています。

例えば、視覚では、どこにゴールがあるか、相手や味方がどこにいるか、自分がどちらへ動いているかなどの情報を受け取っています。

前庭感覚は、頭がどちらへ動いているか、身体がどちらへ傾いているかなどを知るために使われます。

固有受容感覚は、関節がどの位置にあるか、身体がどのように動いているかなどを知るための感覚です。

そして皮膚からの感覚からも、どこに触れているか、どこに圧がかかっているかなどの情報を受け取っています。

こうした情報を使いながら、私たちは動きを調整しています。

簡単にすると、

感覚情報を受け取る → 脳や神経系で処理する → 身体を動かす

という流れがあります。

実際にはもっと複雑ですが、身体の動きを考えるときの基本としては、このくらいの理解で十分です。

運動は「筋肉がどれだけ強いか」だけでは決まりません。
固有受容感覚を対象としたトレーニングについても、バランスや姿勢制御、運動機能などとの関連が研究されています。

だから、久しぶりにバスケをして昔のように動けないときも、「筋力が落ちた=筋トレすれば全部解決」と考えると罠にはまるかもしれません。
仕事がデスクワークなどで普段動くことが少ない方は特に!

もちろん筋力は大切。
でも、それ以外にも身体を見直せるところがあります。

4.足は「力を出す場所」であり、「感じる場所」でもある

バスケットボールでは、足元はとても重要です。

床を蹴る。
止まる。
ステップを踏む。
ジャンプする。
着地する。

すべて床との接点は足です。

でも、足にはもう一つ役割があります。
床の状態を感じる場所でもあるということです。

足裏の皮膚には、接触や圧などを感じ取る感覚受容器があります。そこから得られる情報は、床面の状態や、身体が支持面に対してどう動いているかを知るための情報の一つとして、姿勢制御にも利用されています。

足を考えるときに、「どう支えるか」だけではなく、「どう感じられるか」という視点も大事だと考えています。

ただし、ここで誤解してほしくないことがあります。

「足裏を刺激すればパフォーマンスが上がる」と単純に言えるわけではありません。

身体は足裏だけで動いているわけではなく、視覚、前庭感覚、固有受容感覚など複数の情報を使っています。

大切なのは、身体の動きを筋肉だけの問題として見ないことです。
カラダはいろんな刺激や命令で動いています。

5.バッシュだけじゃなく「バッシュの中」も見直してみる

バッシュを買い替えた。いい感じ。
そこで終わりではなく、もう一つ見てほしいのがシューズの中の環境です。

バッシュと足の間にはソックスがあります。

スポーツソックスには、製品によって汗を処理する、摩擦を調整する、シューズ内でのズレを抑える、足へのフィット感を調整する、部位によってサポートするといったさまざまな役割があります。

だからソックスも、単なる「汗を吸う布」ではなく、足とシューズの間の環境をつくる道具の一つとして考えることができます。

ただし、「このソックスを履けば筋力が上がる」「神経が良くなる」「ケガが治る」という話ではありません。
シューズも、インソールも、サポーターも、ソックスも、それぞれ役割が違います。

大切なのは、自分が何を必要としているのかを考えて選ぶことです。

「鍛えつつ守る」という考え方

GRIN FACTORYでは、販売しているタビ型のサポートソックスに「鍛えつつ守る」という名前をつけています。
これは単なる商品名ではなく、私たちが身体について考えるときの基本的な考え方でもあります。

身体を守ることは大切。
でも、何でも道具に任せて身体を固めればいい、というわけでもない。

自分の身体が本来持っている機能を使いながら、必要なところを道具でサポートする。

守るだけではなく、使う。
使いながら、必要なところは守る。

そんな考え方です。

2号

履くだけで鍛えられるという意味ではありません


「鍛えつつ守るタビソックス」も、その考え方から作っています。

スタンダードタイプは、足袋型の形状や足底の滑り止めなどによって、スポーツ時の足元の環境を整えることを考えたもの。PLUSタイプはそこに、足首まわりのサポート機能を追加しています。

「サポーターほど強く固定したくないけれど、足元は少しサポートしたい」という人にとっても、一つの選択肢になると思います。

身体は、足だけで動いているわけではない

身体の動きに関係するのは足だけではありません。

例えば、目。
腰とか体幹じゃなくて、目?と思いましたか?
同じ姿勢で立っていても、目を開けているときと閉じているときでは、身体が利用できる情報が変わります。

頭の動きを感じる前庭系も、姿勢や動きの調整に関わっています。
呼吸も身体の状態と無関係ではありません。

身体は一つの場所だけで動いているのではなく、いろいろな情報を受け取りながら、そのときの動きをつくっています。

私自身、競技バスケットボールの経験に加え、スポーツシューズについて学び、自分のカラダを治したくて施術方法である小波津式の門をたたき、現在はFunctional Neuro Training(FNT)などを通して身体と神経系についても学んでいます。

小波津式にしてもFNTにしても面白いと感じたのが、身体に入る情報が変わると、動きや反応が変わることがあるということでした。
しかも強い刺激ではなくごく弱い刺激であっても。です。

だから「カラダが正解を見つける体験会」では、筋肉を鍛えるのではなく、目や身体感覚、呼吸など、さまざまな方向から自分の身体の反応を体験してもらっています。

体験会は病気やケガを診断したり治療したりするものではありませんが、実に様々な方が来てくださいますのでまだまだ勉強途中の私は必死ですw

自分のカラダってどうやって動いているの?
この痛みはどこから来てるの?

それをいろんな動きする中で自分自身で体感し確かめてみる場所となっています。
そして、喜んでくださる参加者さんの顔が「あぁやってよかった。もっともっと勉強しなきゃ」と思わせてくれます。

昔の身体に戻るのではなく、今の身体でまた楽しむ

昔の身体と比べ続ける必要はありません。
まずは、今の身体がどんな状態なのかを知ること。

そこから少しずつ練習量を戻す。
今の足に合ったバッシュを選ぶ。
足元の環境を見直す。
そして少しずつ可動域を録り戻し、筋力や持久力も戻していく。
そして、身体が受け取っている感覚にも少し目を向けてみる。

昔の自分を再現するのではなく、今の身体でもう一度バスケを楽しめる状態をつくっていく。
大人のスポーツでは、勝つこと、相手を負かすこと、1本でも多くシュートを決めることだけでない楽しみ方も感じれられるといいなと思っています。

よくある質問

Q.久しぶりにバスケをして動けないのは、筋力が落ちたからですか?

筋力低下も一つの要因ですが、それだけとは限りません。

持久力、瞬発力、関節の動き、バスケ特有の動作への慣れ、現在の身体の状態、シューズなど、さまざまな要因が関係します。
また、運動には視覚や体性感覚などから得られる情報も使われています。
「筋力だけ」と決めつけず、いくつかの方向から考えてみることをおすすめします。

Q.昔履いていたバッシュが残っています。使っても大丈夫ですか?

何年も保管していたバッシュなら、状態をよく確認してください。
見た目だけでは分からない素材の劣化もあり得ます。
特にソールの剥がれ、ひび割れ、硬化、崩れなどがあるものは使用を避けましょう。
久しぶりの復帰で何年も前のバッシュを使うのであれば、買い替えを基本に考えるのがおすすめです。

Q.インソール、サポーター、機能性ソックスはどれを選べばいいですか?

目的によって違います。
シューズ内のフィットや足元の環境を整えたいのか、特定の部位を強く固定したいのかなど、「何をしたいのか」を先に考えると選びやすくなります。
痛みや腫れ、ケガなどがある場合は、道具だけで解決しようとせず、医療機関など専門家へ相談してください。

最後に

久しぶりのバスケで昔のように動けなくても、「歳をとったから仕方ない」だけで終わらせる必要はないと思っています。

筋力を戻すことも大切。
シューズを見直すことも大切。
足元を整えることも大切。

そして、身体がどんな情報を受け取り、それを使ってどう動いているのか。

そんな視点を一つ持っておくと、自分の身体を見る方法が少し増えます。

せっかくもう一度バスケットボールをするなら、昔の自分と競争するのではなく、今の身体と相談しながら、長く楽しんでください。

工場長

怪我だけはしないように

参考文献・資料

※身体や神経系に関する記述については、記事作成時に関連する研究・レビュー論文を確認し、内容に誤りがないよう参考にしています。

足裏からの感覚情報と姿勢制御については、足底の皮膚感覚が床面や支持面に対する身体の状態を把握する情報として利用されることが報告されています。

また、固有受容感覚を対象としたトレーニングについては、運動機能・バランス・姿勢安定性などとの関連を調べた研究があります。ただし、研究方法や対象者には違いがあり、「何をすれば誰でも同じように良くなる」という意味ではありません。

  • Plantar cutaneous sensory information and postural control
  • Proprioceptive training and sports performanceに関するシステマティックレビュー
  • Proprioceptive training and motor functionに関するシステマティックレビュー
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この記事を書いた人

学生時代から競技バスケットボールを続け、日本リーグ1部でもプレー。
JAFT認定「スポーツシューフィッター サーティファイドテクニシャン」、Functional Neuro Training(FNT)ベーシックトレーナー。

競技経験に加え、足・シューズに関する専門知識と神経科学の学びを活かしながら、、「鍛えつつ守るタビソックス」の企画・開発や、身体の感覚と動きを体験する「カラダが正解を見つける体験会」を行っている。

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